けいじゅ@日本ラショナルソフトウェアです.

In [ruby-list :06704 ] the message: "[ruby-list:6704] Re: coerce ", on
Feb/24 14:59(JST) Yukihiro Matsumoto writes:

>まつもと ゆきひろです

>|  coerce って二項演算のときに使われるのが主な
>|目的だと思っているのですが演算についての情報
>|がなくてもよいのですか。
>
>coerceの目的は「俺はお前に対してどう演算して良いのか分からん.
>俺をお前の知っている型に変換してくれ」というものです.んで,
>変換された型がそれぞれの演算を行うわけです.
>
>|  例えば obj1 + obj2 と obj1 ** obj2 とでは
>|obj2 は異なるタイブや値に変換された方がよい
>|こともありそうな気がするのですが。

>そういう場合は相手を知っているのではないでしょうか.

ちょっと甘いですね(^^;;; 知っている時はいいのですが, 知らない時はやは
り問題になります.

># 本当に大丈夫かどうかは数値に強い人に任せよう.

数値には強くないのですが, 経験者ということで.

確かに, obj1 + obj2 と obj1 ** obj2 が違う型に変換したいことはあるかも
知れません.

obj1のクラスをC1, obj2のくらすをC2とします.

C1が新規型の場合は問題ないですね. C1#+, C1#** の側で対処すれば良いので
すから, 問題はC1がIntegerなどの既存型の場合です. 

その場合は, エレガントな解決ではないのですが, 以下のようにしますと大体
うまくいくと思います. まず, 新しい型C3をつくります.

  class C3
    def initialize(val)
      @value = val
    end
  end

つぎに, C2#coerce(other)では

  def coerce(other)
    C3.new(other), self
  end

のように, otherをC3に変換します.

次に,

  class C3
    def + (other)
      @value + otherを適当な型に
    end

    def **(other)
      @value ** otherを適当な型に
    end
  end

と適当な演算を定義します. 

間接的なクラスを導入するところが味噌ですね.

matrix.rbの中で, 同じような技法を使っています.

  Matrix
  Matrix::Scalar
  Vector

でMatrix::Scalarは上記C3に相当していてNumericをラップするクラスになっ
ています. この場合は上記のような要望というわけでもないんですが, 近いと
いえば近い理由からでした.

  n * M

を計算するのに,  Matrix#coerce(num) で変換しようがなかったからです

n * M の時は, nを nI に変換すれば良いのですが, その変換では n + M で困
ります(エラーにしたい).

そこで, coerceでは

  Scalar.new(num), self

を返して, Scalar::*(other)で実際の計算を行なわせています.
Scalar::+(other)ではエラー.

PS.  

実は, 私もMatrixを作りはじめた時に, rubyのcoerceでは駄目かと思ったんで
す... でも, その時, 松本氏もこの解決案を出したと思いましたが... 私はもっ
とエレガントな方法が良かったんですが...

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................................石塚 圭樹@日本ラショナルソフトェア...
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