まつもと ゆきひろ@トヨタケーラムです.

次は「rubyの基礎」です.
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rubyの基礎

    rubyの「1行プログラム」
      スクリプト言語としての雰囲気を知ってもらうためrubyの
      1 行プログラムをいくつか紹介しましょう.

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        # 由緒正しい Hello world.
        print "Hello world\n"
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        # 入力ファイルの`From 'を含む行を印刷する
        while gets(); print if /From/ end
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        # ファイルに行番号をつける
        while gets(); print $., ":", $_ end
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        # πの計算
        print 4*atab2(1,1), "\n"
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    rubyのコメント
      rubyのコメントは#から行末までです.

    rubyの式
      rubyの式は以下のものがあります(主なもの).

        文字列
          文字列はシングルクォート(')または ダブルクォート
          (")で囲まれたもので す.ダブルクォートで囲まれた
          文字列ではC言語の 文字列と同じようなバックスラッ
          シュ (\)によるエスケープが指定できます.また,
          #{}で囲んだ範囲内の式の結果が埋め込まれます.

        数値
          整数,浮動小数点数が扱えます.

        配列/連想配列
          []で囲まれた式の並びは配列を返し ます.{}で囲ま
          れた式の並びは連想 配列を返します.

          連想配列とは任意の種類のオブジェクトを添字にと 
          る配列です.ハッシュ表とか辞書とか呼ばれること 
          もあります.

        変数/定数
          rubyには変数が3種類と定数があります.変数/定数 
          の種別はその最初の1文字で区別できます.

            ローカル変数
              小文字のアルファベットから始まる.使う時に
              は代入で初期化する必要がある.

            グローバル変数
              $から始まる.未初期化の値 はnil.

            インスタンス変数
              @から始まる.未初期化の値 はnil.

            クラス定数
              大文字のアルファベットから始まる.未初期化
              の値はnil.

        代入
          変数への代入は以下の形式です.

          
            変数 = 式

        メソッド(関数)呼び出し
          あるオブジェクトに固有の操作(メソッド)を実行す 
          るための形式は以下の通りです.

          
            式 . メソッド名
            式 . メソッド名 ( 式..)

          曖昧でない限り引数の括弧は省略できます.

          メソッドの実行主体であるselfのメソッド呼び出し 
          は最初の式を省略できます.

          
            メソッド名
            メソッド名 ( 式..)

          引数の無いメソッド呼び出しとローカル変数の参照 
          は代入の有無で区別されます.

        演算子式
          通常の数式は(C言語とほぼ同じ)演算子を使って表 現
          できます.ただし,内部的には演算子も(演算子を名
          前に持つ)メソッド呼び出しとして処理されています.

    rubyの文
      rubyでは任意の式をセミコロン(;)または改行で区切った
      並びを文とします.文の値は一番最後に実行された式の
      値です.

    rubyの制御構造
      rubyでは以下の制御構造が使用できます.
        * if 式 then 文 [elsif 式 then 文].. [else 文 ]end
        * case 式 when 式..; 文... [else 文 ]end
        * while 式; 文 end
        * for 変数.. in 式; 文 end

      ifとwhileの意味は通常の言語とほぼ同じです.if文の
      thenはセミコロンまたは改行で代用できます.C言語では
      else ifと記述するも のがrubyではelsifとひとつになっ
      ていることに気をつけてください.

      caseは複数の比較をひとつにまとめるための制御構造です.

      forは配列などの要素をひとつずつ変数に代入しながらルー 
      プします.

      ループ内では以下の文が使えます.

        break
          ループの実行を中断します(Cのbreak相当).

        next
          ループの次の実行を開始します(Cのcontinue相当).

        redo
          ブロックの先頭行からやり直します.

    良く使われる手続き
      rubyのプログラムで良く使われる手続きをいくつか紹介し 
      ておきます.これらはObjectクラスのメソッドで,どのク 
      ラスからでも関数のように使えます.

        exit([ステータス])
          プログラムの実行を終了します.ステータスとして 
          整数が指定された時にはそれが終了ステータスとな 
          ります.ステータスのデフォルトは0です.

        gets
          コマンドライン引数で指定されたファイル(群)から 1
          行読み込んで,その行を文字列として返します.コ
          マンドライン引数が指定されていない時には,標準
          入力から読み込みます.読み込んだ文字列は変数 $_
          にも代入されます.ファイルの終りではnil(偽)を返
          します.

          
            while gets
              ...
            end

          というのは良く使われる典型的なパターンです.

        open(ファイル名[, モード])
          ファイルをオープンします.モードは文字列でCの 
          fopenと同じです.省略した時には読み込みモードで
          オープンされます.

        print
          出力関数.引数を順に標準出力に出力します.引数
          が省略された場合には変数$_の値を出力します.
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Last modified: Tue Apr 16 21:02:26 1996