笠原です。こんにちは。

* From: matz / netlab.co.jp (Yukihiro Matsumoto)
* Date: Mon, 7 Dec 1998 16:23:05 +0900

> これは事実ですね.で,今回問題なのは個別のマシンにライブラリ
> やヘッダファイルがどこにインストールされているか知る一般的な
> 方法がないことですよね.まあ,標準的な場所なら探しようがあり
> ますが,一般論としてはなんらかの方法で外部から教えてやらなけ
> れば実現できません.
> 
> で,現状では外部から指定する方法が存在しないので,しょうがな
> いからextconf.rbを直接編集する方法を選んでいるわけですね.私
> はautomakeについてあまり調べてないんですが,やはりなんらかの
> オプションで指定しているようですね.

automake にはこの機能はなくて autoconf に任せます。
configure に --with-dbm-* のようなオプションを用意することになります。
たとえば次のような。

   AC_ARG_WITH(dbm-includes,
   [  --with-dbm-includes=DIR   dbm include files are in DIR],
   [dbm_includedir="${withval}"], [dbm_includedir=''])

ですから、mkmf.rb にしても automake にしても、やるとしたらここまでは手
順は一緒です。この --with-dbm-* オプションで渡されたディレクトリ情報を
dbm をコンパイルするときまでに渡さないといけないのですが、それには大き
く分けて 2 つの方法があります。

   1. ext/dbm/extconf.rb.in を用意しておいてそこに

	$CFLAGS = "-I@DBM_INCLUDEDIR@"

      と書いておく。configure.in に

	AC_OUTPUT(..... ext/dbm/extconf.rb)

      として ext/dbm/extconf.rb を生成すると、先ほどの $CFLAGS は

	$CFLAGS = "-I/foo/bar/include"

      と置き換わるようになる。

   2. mkmf.rb に --with-dbm-* オプションを渡すと mkmf.rb がこのオプショ
      ンを認識するようにする。たとえば extconf.rb に

	$CFLAGS = "-I" + arg_with("dbm-includes")

      のようなコードコードを書いておくと、良きに計らってくれる。

ところで、実際に mkmf.rb の代わりに automake, libtool を使って拡張モジュー
ルを作ってみたらどうなるのか、やってみました。実は問題がありました。

   * デフォルトでは、shared ライブラリと static ライブラリの両方を作っ
     てインストールしてしまう。

   * さらに、libtool 管理用の *.la ファイルもインストールしてしまう。

   * automake, libtool ともに、ライブラリ名が `lib*.*' (例: libjpeg.so)
     になっていることを想定している。

     これはけっこう痛いです。libtool にはパッチを当てて回避しました。
     automake は文句を言うものの、一応 Makefile.in を最後まで生成して
     くれるので、automake のエラーメッセージは無視しました。(^^;)

とまぁ、「理想は automake」などと言っていたわりに、実はけっこう大変な
のでした (_o_)。が、利点もありました。

   * autoconf と親和性が高いので、autoconf との併用が前提なら柔軟性が
     ある。

     automake は autoconf 用の Makefile.in を生成するので、@VARIABLE@
     の置換なども行えます。

   * 機能が豊富である。

     make uninstall や make dist (ソースコードの `*.tar.gz' distribution 
     を作ってくれます、これは非常に便利)、make check (ストスイートの実
     行の補助) があります。サブディレクトリを作ることも可能です。

   * (Ruby 本体の場合) 複雑な ext/extmk.rb が要らなくなると思われる。

     ただし、その代わり configure.in のコード量がある程度増えますが。

といったところです。

# automake, libtool を使って実際に何を作ったのかは、別のメールにて。
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                                          笠原 基之(かさはら もとゆき)