あおきです。

CVS 最新で次のような挙動が起こります。

[テスト1]

  ~/t/rhg % cat t
  class A
    class B
      class T
	puts "A::B::T   = #{self.id}"
      end
      ::A.module_eval {
	  class T   # A::B::T を上書き定義する
	    puts "A::B/A::T = #{self.id}"
	  end
      }
    end
  end
  puts "A::B::T   = #{A::B::T.name} (#{A::B::T.id})"

  ~/t/rhg % ruby t
  A::B::T   = 359000264
  t:8: warning: already initialized constant T
  A::B/A::T = 359000184
  A::B::T   = A::T (359000184)
  # A::T は undefined const


[テスト2]

  ~/t/rhg % cat t2
  class A
    class T
      puts "A::T      = #{self.id}"
    end
    class B
      class T
	puts "A::B::T   = #{self.id}"
      end
      ::A.module_eval {
	  class T   # こちらは A::T に追加定義する
	    puts "A::B/A::T = #{self.id}"
	  end
      }
    end
  end
  puts "A::T      = #{A::T.name}    (#{A::T.id})"
  puts "A::B::T   = #{A::B::T.name} (#{A::B::T.id})"

  ~/t/rhg % ruby t2
  A::T      = 358999854
  A::B::T   = 358999744
  A::B/A::T = 358999854
  A::T      = A::T    (358999854)
  A::B::T   = A::B::T (358999744)


つまり、

  1. A::T が定義されているかどうかで module_eval 中に
     定義したクラスのネスト先が変わる

  2. 上書きするか追加定義するかの違いがある

  3. テスト 1 で、実際には A::B::T であるクラスの名前
     が A::T になる

というあたりが変なわけです。3. については純粋にバグだったよう
なので、残る 1. 2. がこれでいいのか、変えるとしたらどう変える
のか考えないといけません。


[考察]

そもそもこういう挙動になる原因は、rb_eval:NODE_CLASS で定義チェッ
クに ruby_class を使い、ruby_cbase に定義していることです。こ
の二つの意味の違いはこうです。

  ruby_class .... メソッドを定義する対象のクラス
  ruby_cbase .... 定数参照・代入の起点

この二つは通常は同じ値なのですが、module_eval 中では

  ruby_class = module_eval のレシーバ
  ruby_cbase = 変わらず

になります。それでこの二つが違う値になっていると変な動作になる
わけです。だからたぶん少なくとも ruby_class とruby_cbase、使う
のはどちらかにすべきなんだろうと思います。


あとはネスト先を ruby_class と ruby_cbase のどちらに統一
すべきか、という問題です。具体的に言うと、

  module M
  end
  class C
    M.module_eval {
	class SomeClass
	end
    }
  end

としたときに、SomeClass は C と M のどちらにネストして定義され
るべきなのか、ということです。M に定義されるなら ruby_class、
C に定義されるなら ruby_cbase を使うことになります。

ちなみに、1.6 までは M に定義されるようになっていました。
だからこんなこともできました。

  # net/protocol.rb より
  def net_private( &block )
    ::Net::NetPrivate.module_eval(&block)
  end

  net_private {
    class SMTPCommand   # Net::NetPrivate::SMTPCommand
    end
  }

しかし 1.7 になってからは「定数の挙動は静的であるべき」という
方針でこういうことはできないようにする方向に動いています。その
流れから言うと全部 ruby_cbase にするべきなんでしょう。

しかしクラス定義だけはちょっと違うのだ、というのもそれはそれで
納得できるものがあります。特にこの場合は module_eval したうえ
でのクラス定義文ですから、やや特殊な状況です。例えばなんらかの
コードの中で動的にクラスを定義しようとしたときに、ネストする先
が動的に変更できないと

  M.const_set :ClassName, Class.new {.....}

などとするしか方法がなくなります。module_evalでネスト先を変え
られれば

  M.module_eval {
    class ClassName
      ....
    end
  }

で書けます。


個人的には、定数とクラス名の挙動は同じであるほうがいいと思うの
で、「定数に揃える」に一票入れます。
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青木峰郎